スペイン料理といえばタコである。
西洋ではあまりタコを食べないのだけど、スペインだけは例外でタコを使った料理があります。
スペイン料理のお店でバイトをしていたとき、様々な美味しいスペインの料理を覚えました。パエリア、スペイン風オムレツ、ピザ、パスタ、チーズ・・・。
ドリンクはワインに、サングリア、ビールなんかも出していました。その中に一つだけ異彩を放つ飲みものがありました。
カモミールティ。
温かい飲み物はこれだけだったと記憶しています。コーヒーとかなかったと思う。カモミールティはスペインでポピュラーなハーブティらしいけど、当時のわたしは知らなくて、変な香りのするお茶だと思って出していました。注文するのはほぼ女性。それも大人な感じの女性。食事の最後の一杯で良くオーダーを受けていましたね。男性はワイン、女性はカモミールティで締めるの。
値段はいくらだったかなぁ?500円より安かったか、高かったか覚えていない。
結構オハイソな感じのお店だったから、お茶一杯にしては高い値段だなと思って出していた記憶があります。
このカモミールティ、作るのがめっぽう簡単。ティーバッグにお湯を注ぐだけ。ティーポットにハーブを入れて蒸らして・・・などという手間は要らない。紅茶のティーバッグで入れたお茶なんて、無料のサービスで飲めたりする時代にカモミールティっていうのはきっと高級なものなんだろうなぁって思っていました。
それから歳を重ねて、カモミールには鎮静効果があると知ります。独特な香りのするカモミールティを好きな女性がしばしばいたのはそのためだったのか、と納得。飲むとなんとなく落ち着くの。
つい一ヶ月前、心境の変化で眠れなくなったときにふとカモミールティのことを思い出し、買って飲んでみました。バイトで入れていたときと同じ作法、カップにティーバッグにお湯を注いで簡単にできあがり。一杯500円くらいに思える贅沢な飲み物。
カモミールティってふんわりした香りで良いですね。夜の鎮静効果のほどは良く分からないけれど、朝起きたときすっきりしている。きっと夜にぐっすり眠れるからだと思います。
あの頃オーダーを受けていたお姉さんたちの年齢を、わたしはとうに越えてしまった。今やっと分かった。あのお姉さんたちはこんな気持ちでカモミールティを飲んでいたんだ。
山あり、谷あり、地ならしあり。地のならし方は大人になったら自分で身につける。そうやってみんな生きているんだよね。
お店の店長とオーナー、料理長、みんな元気かなぁ?
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